「バカバカしいって言ってるんだ。

高畑まひるに噂の真相を直接聞いたのか?

どうせ聞いてないんだろ?

根も葉もない噂を流した当人もバカだけど、それを信じてるお前たちも相当なまでの大バカだな。

噂の標的にされた高畑まひるをかわいそうだと思わないのか?

それとも、高畑まひるのことを嫌っているから噂の標的にしたのか?」

そう言った俺に、
「き、嫌ってないですよ…。

ただ、彼女がちょっと一方的に距離を置いているところはあるかなと思いますけど…」

宮園は言いにくそうに返事をした。

「それはつまり、高畑まひるの方にも問題があると?」

「わ、私だって高畑さんと仲良くできるものなら仲良くしたいですよ」

そう言った宮園の顔はどこか複雑そうだった。

仲良くしたいけど、どうすればいいのかわからないと言ったところだろう。

「じゃあ、噂を流してるヒマがあるなら自分で考えろ」

俺はそう言った後、完食した生姜焼き定食を持つと椅子から腰をあげた。