生姜焼きを飲み込むと、
「1つだけ聞きたいことがあるんだが」
と、話を切り出した。

「はい、何でしょうか?」

そう声をかけてきた平野に、
「高畑まひるのことをどう思っているんだ?」

俺は聞いた。

「えっ…」

「ど、どうって…」

俺の質問に、2人はお互いの顔を見あわせて戸惑っているようだった。

「お前たちは高畑まひると同期なんだろう?

こうして一緒に昼ご飯を食べたりとか…まあ、要するに仲良くしないのか?」

そう聞いた俺に、
「同期と言えば、同期なんですけれでも…」

平野は困ったように言った。

「その…入社した時に1度だけ高畑さんをご飯に誘ったことがあるんです。

でも“わたしはお弁当を持ってきていますから”と彼女に断られたことがあって、それ以来は…」

大橋はそれ以上は言えないと言うように口を閉じた。