会社が終わって家に帰ると、
「お父さん、何だかとんでもないことになっちゃったよ」

すぐに遺影のお父さんに今日のことを報告した。

「3ヶ月見逃してもらう代わりに、まひるの面倒を見るなんて言われちゃったよ。

事情を説明したのに、支社長に信じてもらえないってどう言うことなの?

まひる、支社長に嫌われてるってことだよね?」

お父さんは微笑んでいるだけで、何も答えてくれなかった。

「それで、来週から支社長の家で暮らすことになっちゃったの。

監視も兼ねてるから一緒に住めって」

だから、週末になったらこの部屋を引き払って支社長の家に引っ越しをしないといけない。

それも小会議室で支社長から出された条件である。

「約束は約束だけど、いくら何でもこんなのはないよ…」

お父さんの遺影に向かってそう呟いた後、テーブルに突っ伏した。