支社長は取り扱い要注意!

支社長はわたしの顔を覗き込むと、
「これでいいか?」

そんなことを言ってきたかと思ったら、ニヤリと口角をあげて笑った。

「え、ええ…」

呟くように返事をしたわたしに、
「じゃあ、呼んで」

支社長が言った。

「えっ?」

何をですか?

訳がわからなくて首を傾げたわたしに、
「まひるもまひるで、いつまで俺のことを“支社長”って呼ぶつもりなんだ?」

支社長が聞いてきた。

「えっ、なっ…!?」

わたしも名前を呼ぶんですか!?

「もうすぐで俺は支社長じゃなくなるんだ。

そうなったら、名前で呼ばないといけないだろう?」

「ご、ごもっともですね…」

わたしは首を縦に振って返事をすることしかできなかった。