支社長は取り扱い要注意!

「そのことに関しては心配するな。

問題は解決済みだ」

そう言った支社長に訳がわからなくて、わたしは首を傾げた。

「会社は兄が継ぐことになった」

そう言った支社長に、
「ええっ!?」

わたしは驚いて聞き返した。

「支社長、お兄さんがいたんですか!?」

まさかのお兄さんの登場に、わたしは戸惑うことしかできなかった。

「言ってなかったっけ?」

支社長は首を傾げて、目をパチクリさせた。

「聞いてないです聞いてないです!」

支社長の口からお兄さんがいたなんて、一言も聞いてません!

それどころか、お兄さんの“お”の字も言ってません!

「俺、3人兄弟の次男なんだよ。

違う支社だけど、兄貴も弟も働いてるよ」

「お、弟さんもいるんですか…」

「3人兄弟だからな」

そう答えた支社長に、わたしは絶句することしかできなかった。