(な、何を話せば良いのかしら…
こんな…殿方の前で何を…)
「亜由美!そんな緊張しなくても大丈夫だって!」
「芽衣ちゃん…私にはムリです〜…こんな戦のような場所で…」
(戦…?)
「だって、さっきは皆さん笑顔でしたのに…合コン?が始まってから明らかに目が…
まるで、今から戦が始まるような目を皆さんしてますから…」
(あー…確かに男女目、ギラギラしてんな…。)
私達は今日、水明学園と聖盟学園で合コンをしている。
男の幹事は壮ちゃん、女の幹事は私。
「よし、じゃあ自己紹介しよ!」
「あれ?壮ちゃん、一人足りたくない?」
「あー康太郎は何か委員会で遅くなるらしい。
まあだから先に始めとこ。」
(ふーん…康太郎君って言うんだ。)
そして私達は順に自己紹介した。
自己紹介し終わった後、元木君が声を掛けてきた。
「芽衣ちゃんかわいいねー!LINE教えてよ~!」
「ありがとう!良いよー!」
(さて亜由美の様子は…。)
「亜由美ちゃんかわいいね、LINE教えてよ〜」
「そ、そそそ!そんな!恐れ多いです!」
LINE!?何ですのそれ!?戦ですか!?
(ああ…明らかに緊張してる…
秀吉様って思うようにしてるって言ってたよね…。)
明らかに顔が緊張していた。
「あはは!亜由美ちゃんおもしろいねー!
俺、面白い子好きだよ」
(あ…受けてる…。良かったー…)
「ねえ、芽衣ちゃん休みの日って何してんのー?」
「休みの日はねー」
「俺、ちょっと飲み物取ってくるわ」
そう言って壮ちゃんが出ていった。
その時
「何してんの…お前」
「壮馬!俺やっぱムリだよ〜…)
外で話し声が聞こえた。
(誰の声だろ…)
そして壮ちゃんが一人の男子を連れて部屋に戻って来た。
「はい、お待たせー連れてきた。こいつが康太郎」
「お前…!離せって!」
その時亜由美と、康太郎は目が合った。
何かまるで…
運命的な出会いを果たしたみたいな目で。
だけど私には
その二人の目は恋愛的は目というより
仲間を見つけたような目だった…。