曖昧ストラテジー【短編】

5時限目、科学。


やっぱりムリだ、理解できない。


早々と理解を諦めた私は、ぐっすりと眠っていて。


だから、誰かに腕を突かれて、少し不快な気持ちで顔を上げた。


すぐに目が覚めた。


目の前に、それはそれはとても穏やかな笑顔を浮かべた担任(科学科)。


逆に怖いほど穏やかな笑顔のまま、担任は言い放った。


「江口、放課後、職員室」