「……へ?組む?」

「……うん」


我に返って不安になる。

着てきたニットの余ってる袖をぎゅっと握りしめる。


「組むって……なにを?」

「……私、望くんの、コーデを組みたい」


うん、と頷いてくれる。

その姿に少し安堵した。


カシャ、カシャ。

カメラの無機質な音が響く。

モデルさんはやっぱり望くんと違って彫りが深くて、肩幅も広めだった。


「望くんに似合う服を考えて、それを着てほしい……ってごめん。私、すっごい重いよね……ごめんっ、忘れて?」


ちょうど撮影が休憩に入った。

ヘアメイクさんがお直しに行くっぽいから、私もそこに同席する。

ちら、と望くんを盗み見すると手を顎に当て、悩んでいる様子だった。