「そう。今日に行くように言っとくって言ったからもう行ってきたら?」

「はい!」


ダッシュでオフィスを出た。

発表会なんてもう忘れた。頭から抜けた。


望くんと。


また同じ時間を過ごせるなんて夢みたいで。 スキップしてた私は、周りから変人だと思われていただろう。


もうすっかり蝉の声は聞こえなくなっていた。


電車のスピードが遅いと思った。これなら私が走ったほうが早い。

事実、電車に敵うわけがないのだけど、そんなことを考えてしまうくらい浮かれてた。


ああ、やっぱり私って単純すぎる。