Hope Your Dream

「夢は……ないんです」


一人暮らしをまだ始めていない私に、よく親が言う。
「夢、それじゃあ名前負けしちゃうよ」って。


「……お仕事はなにされてるんですか?」


確実に、私には夢があった。


「スタイリストの見習い、やってます」


でも自分がこんなに才能がないなんて、思ってもみなかったし受け入れたくなかった。


「毎日毎日怒られて……なんか最近は、なんでこの仕事やってんのか、わかんなくなってきちゃって……」


泣いちゃダメだ。

先輩から言われてる。こんなんで泣くやつは、この業界で残っていけない。

外で、クラクションが鳴る。

驚いて後ろを振り向く。

このお店はあんな狭い脇道を通らなくては来れないとこだから、もちろん道路なんて見えない。

私が顔を戻すと、近くに東さんの顔があった。


「えっ」

「悲しそうな顔……してますよ」


そう言って私の頬を撫でる。