カメラの音が響く。


白い背景をバッグに、望くんは私が組んだ衣装を身につけて、次々とポーズをきめていく。


「夢ちゃん?」

「はい?」

「ああ、やっぱり。初めまして、店長の塚原です」


そう名乗った男性は、望くんよりも長い髪を結んでて、緩めのティーシャツとダメージジーンズを合わせてた。


「あ、初めまして。福野夢です」

「予想通りのお洒落さんでした」


はにかむ塚原さんの顔は、ちょっとだけ望くんに似てる気がした。


「ほんとですか?ふふ、嬉しいです」

「はい。望も絶賛してましたから」

「……そう、ですか」

「どうかしました?」

「いえ、大丈夫です」


気持ちを隠すことには、まだ慣れない。