Hope Your Dream

落ち着いたメロディーが、ドアを開けたら聞こえてきた。

「あ、この曲……」

「Dream Memory」


二人の声が重なる。


「ご存知でした?」

「はい。母が好きで、よく家で流れてました。結構古い曲ですよね」

「僕も父が大好きで。仕事をするときはよくこれを流してます」

「そうなんで……あ、もしかしてお店の名前って……」

「はい。これをつけさせてもらっちゃいました」


はにかむ東さんは、やっぱり魅力的だ。


「いいですよね。夢の想い出」

「はい」

「あ、そうだ。お名前、聞いてもいいですか?」

東さんが奥のほうに行きながら、私にそう訊ねてくる。


ちょっと、この空気じゃ言いにくいんですけど……と前置きして、
「福野、夢です」
と言った。

無意識のうちに、小声になっていた。