Hope Your Dream

することがない私は、部屋の奥にあるマネキンを見ながらぼーっと、今回の企画のことを考えていた。

男性の香水のポスター。

先輩からはそれだけ教えてもらっていた。

爽やかの中にミントの香りが入ってる香水を匂わしてもらうと、ツーンとする感じの中に、清涼感のある匂いがあった。

街中ですれ違ったら振り返ってしまいそうな、そんな落ち着く匂い。


「……ねえ」

「は、はい」


いきなり先輩に話しかけられて、背筋が伸びた。


「なんで今日、控え室集合か分かる?」


何か試されているんだろうか、伸びた背筋が固まる。


「これがわかったら、あなたにも一個組んでもらうわ」

「え……?」

「あなただって一生アシスタントをやってるわけにもいかないでしょう。もしあなたのコーディネートが先方に選ばれたら、あなたも自立していい頃なんじゃないの」


言い方に棘はあったが、遠回しに褒めてくれてることがわかると嬉しさを飛び越して感激した。


「向こうからイメージが違うと言われたわ」

「え?」

「ほら、早く用意しなさいよ」

「は、はい!」


先輩の言葉が気がかりだったけど、私は椅子から立ち上がると、何も身につけていないマネキンを取って、衣装室に駆け込んだ。