Hope Your Dream

「さあ、夢ちゃん」


母がちゃん付けで呼んだら、スイッチが入った証拠。

というか今回に限っては、待ち伏せされてた時点で、私の無事は保証されていないのだけど。


「は、はい……」

「なんでこんな帰りが遅いのか、うーん、そうね、五文字以内で説明してちょうだい」


母の怒り方にはいつも驚かされる。

何文字以内で、と請求されるのはしょっちゅうだけど、たまに「口パクで」とか「英語で」とか。

一番酷かったのは「ジェスチャーで」だ。

私が一生懸命しているのに母は「え、わかんない、どうしましょ。ああ、もう一回!」って言って、繰り返しさせる。

思えば思うほど、母は般若だ。

そうだ、般若様ってあだ名もあながち間違ってないんじゃないだろうか。


「五文字⁉︎」

「そーよ。なあに?ジェスチャーよりはいいじゃない」

「それは本当にね……」


母もジェスチャーは酷いと自覚はしていたみたいだ。安心した。


「もー夢。カウントダウンしちゃうわよ」

「わあ!待って、待って、言うから」

「じゅー」


だめだ、母の心は小学生だ。


「あ!わかったわかった」

「どうぞ」

「よ、り、み、ち。寄り道!」

「……うん、四文字ね」


私は指を折りながら言って、ドヤ顔してみせた。