Hope Your Dream

駅は思ったりも近かった。


「ここで大丈夫だよ」

「……あ、ごめん、夢。間違えた」

「え?」

「もう終電ないよね……なんで僕駅に連れてきたんだろ……」

「……あ、確かに」

「ごめん……」


負のオーラが漂う望くんを見ていると、悪気はないけど笑ってしまった。

望くんは思った事が隠せない性格なんだろう。


「ふふっ」

「え?」

「ううん、なんもない。ただ、ちょっと可愛くて。ふふ、そんな落ち込まなくていいよ。タクシー拾って帰るから」

「んー……ごめんね?」

「大丈夫!送ってくれてありがとう」


まだ納得してない様子ではあったけど、うん、と笑ってはくれた。

タクシーに乗り込んで窓から手を振る。

私の右手には強引に握らされた五千円札がある。

さっき、「無駄に歩かせたから!」と渡されたものだ。


「夢」


こんなにも自分の名前を愛しく思ったのは初めて。