Hope Your Dream

「駅まで送るね」


望くんはそう言って、レジの脇のラックから、薄い色のジージャンを持ってきて、私にかけてくれた。


「寒そうだから、良かったら着て?」


うん、夢の服装に合ってるね、よかった。と、望くんは満足そうに頷く。


「ありがとう」

「いいえー。夢は、ストリート系が好きなの?」


望くんがドアを開けると、またDream Memoryがかかった。


「日によって、かな。今日はこの気分だったから」


私の部屋はほとんど服で埋め尽くされている。

たまに掃除しに入ってくる母も、必ず「また増えたわねー、ここまでくると店みたいよねー」って言う。

私はそれを、褒め言葉として受け取っているけど。

外は真っ暗で、短パンから出てる足にあたる風が、やっぱり冷たかった。


「今日は気温差激しいよね。こんな日ってどんな服着ようか迷っちゃって困るんだよね」

「あ、望くんも?だよね!私もそう!昼は暑いって言われたからティーシャツ着てきたけど、夜はこんな寒いなんてね!言ってくれたらロングシャツかなんか持ってきたのに!……って、ごめん……」


またやっちゃった。

服のことになると早口になっちゃう癖。


「あは。ううん、気にしないで。夢は、ほんとに服が好きなんだね」

「……うんっ」


お店の前に一個だけ置かれてるランタンの光が、私の鼓動と一緒に揺れている。