Hope Your Dream

家に帰りたくなかった。

東さんといたいって思った。

それは尊敬なのか果たして、恋、なのか。

確かめる勇気すらなかったし、知りたくもなかったけど、たぶんすぐわかることになる。

だって、笑う東さんをもっと見たいって思うのは、尊敬ではないから。


「東さん」

「夢さん」


同時に声を出してしまう。

そんな偶然も嬉しいなんて。


「どうぞ、先に……」

「いやいや、夢さんが先にどうぞ」


東さんに名前を呼ばれるのがこんなにも嬉しいなんて。


「どうぞ?」


笑いかけられるだけで胸が高鳴るなんて。


「帰りたく、ないです……」


東さんの目を見る。

吸い込まれそうに黒い目。

恋、しちゃった。


「……じゃあ次は僕が」


私の発言には触れないで、東さんがそう言う。

え、と漏れた声。

焦って口元を押さえる。


「……下の名前で呼んでは、くれないんですか……?」


罪な人だ。

自分でわかってる、この人は。私がどんな仕草に弱いとか、こういう笑い方が好きだとか。

ずるい。