望くんが私の両手を包み込むようにして、握る。


「夢」

「……はい」


メガネのレンズ越しに合う目。

そこには私しか映っていなくて、それにまたドキドキした。


至近距離だからか、たまに感じる望くんの息。

手から伝わる熱。

全てが私を望くんの虜にした。


「これからも、僕の服を組んでくれない?」

「……え……?でも……」

「デザイナーも諦められない。でも、夢のコーディネートに惚れちゃったんだ。夢の組んだ服を着たい」

「望くん……」

「それと」


望くんが一旦奥に行って、すぐに戻ってきた。

その手に握られていたのは、小さいパールがお花の形になってるチャームがついてるネックレス。


「これは……?」

「プレゼント」

「……私に?」

「そうだよ。夢」


涙で望くんの姿もはっきり見えなかった。


「好きだよ。夢の笑顔を、ずっと隣で見ていたい」


ふわっと優しく抱き締められる。


「付き合お?」

「……はいっ……」

「……あはっ、そんなに泣かないでー?」

「……もー……なんでそんなに余裕なの……」

「そりゃあだって、大人の男、ですから?」

「……ふふ」