二階へ上がった私は部屋へ入って扉の前に座り込んで泣いた。

こんな事は考えてもみなかった。
いつも仲が良くて凄く幸せそうな2人を見て育ったから。
離婚したら私はどっちについていけばいいんだろうとか、これからどうなっちゃうんだろうとか色々考えて不安になった。

一階からはまだ2人の言い争いが続いてるみたいだった。

子供は大人の事情には首を突っ込めないんだな。
諦め、2人の声が聞こえない様にヘッドフォンを出して音楽を聴く。

ーシャカシャカ
いつも聴いている曲が楽しくない。ワクワクしない。
どうしてこんなにも、幸せだった時間が一瞬で消えてしまうのだろうか。

「...どうしてよ」
声にならないくらい小さい声で私は呟いた。