あたしも窓の外を見ると、どこかのクラスが体育の授業らしく、ジャージを着た生徒がグラウンドに集まっていた。


赤いジャージだから二年生だ。どこのクラスだろう。


……あ、六組じゃん。


もしかしてと思い、あたしは梨木くんの目線を追った。


やっぱりそうだ。梨木くんは山岸さんを見ている。


嫌な予感はしていた。梨木くんが窓の外を見るときは、決まって空を見上げていた。

だけど今日、彼の目線はグラウンドの方に向けられていたのだ。


「まだ、山岸さんのこと好きなんだ……」


思わず心の声が洩れてしまい、あたしはとっさに口元を押さえる。