5時間目が始まる少し前に、あたしは自分の席に戻ってきた。

次の授業の教科書を机に並べて、軽くあくびをする。

今度はあたしのほうが寝ちゃいそう。


天気がすごく良くて、でも風が少しあって、ちょうどいい感じにあたしの眠気を誘う。


一方で梨木くんは起きていた。まあ、午前中あれだけ寝ていたから、もう眠たくはないんだろうな。

彼は頬杖をつきながら窓の外を見ていた。


せっかく梨木くんが起きているから、何か話しかけようと思うのに、ネタが出てこない。