ガラガラッ


「失礼します。陸上推薦の八神琉生です。」

そう言えば前の方に座っていた人がこちらを向いた。
だが机に置いてある名札を見る限りでは担任では無いな。顧問か何かだろう。


「おぉ。お前が八神か。
期待通りのいい目をしとる。」

そう言いながら手招きをしてきたため一礼してそちらに向かう。

だがそこに向かう途中で1番でかい机に座っている奴と話している女生徒がいた。
この時間にいるということは多分主席なんだろう。
俺は昔から頭がいいヤツと反りが合わない。
まあ、大抵俺が悪いんだが。


どちらにしろ近付かないに越したことはないだろうな。


一応名前とかだけでも聞いておこうと思い、やはり顧問だった奴の話もそっちのけで彼女達の話に聞き耳を立てる。


「すまないが…が……二階堂君…」


そのワードが聞こえ、あぁこいつは二階堂なんだなと分かりその瞬間に彼女達の話をシャットアウトした。


どうかこいつとはクラスも離れて2度と関わる機会がありませんように!


こう願ってから暫くして、あれこれフラグじゃね?と思うが既に後の祭りだということを俺は思い知る事になる。