必死に生きてる。
私なりに精一杯、それこそ死ぬ気で藻掻いて生きてきたつもりだ。


じゃあ逃げてないって言える?


そう聞かれたら、きっと私は何も答えることができなくなってしまうだろう。


これは逃げてるんじゃない。
そう言い聞かせても、全てを見透かしたかのような綺麗な瞳が私を追い詰める。


こんな小さな体で必死に生きている命。
人間と違って、自分の意志で自由に逃げるなんてことも許されない動物。
ハンデを背負っているのは同じはずなのに、自分とは対照的だと思った。




『 逃げないで 』




決して私から目を逸らそうとしない瞳が、今度こそはっきりとそう言ったような気がした。