シン……と沈黙が落ちる。

途端にさっきまで全く聞こえてこなかったはずの雨音が響きだし、ますます空気が重くなっていく。


…私は間違ってない。
間違ったことは言っていない。

課長の想いに応えることはできないのだから、至極当然のことを言っただけ。


それなのに…


沈黙が痛い。
その沈黙がそのまま課長を傷つけている証拠なのかと思うと、この場にいることすらいたたまれなくなって、息をするのも苦しくなってしまう。


それでも、私は間違っていない。

そう言い聞かせるしかないのだ。


「…ふぅ」


長い沈黙の後響いた小さな溜め息に、俯いた私の体がビクッと揺れた。