二時間も人を待たせるような薄情な女のことなんてさっさと見限って帰ってくれたらいい。
そう願いながらも、同時に彼は絶対にそんなことをするような人ではないことも確信していた。

いつだってどんなときだって、有言実行する彼の姿をこの一年見続けてきたのだから。


『 日が暮れてでも待ち続けるから 』


それはきっと雨が降ろうと槍が降ろうと変わらない。


課長は絶対に、私を待ち続ける____



午前中は澄み渡るような青空が広がっていた。
ということは課長が傘を持っている可能性は限りなくゼロに近い。


「_____」


私は悪くない。

もう一度言い聞かせた言葉は、さっきとは比べものにならないほどに掠れて力を失っていた。