──────── 「ん……」 あれ、私…、そうだ。 薫くんに会えなくて、泣いたまま寝ちゃったのか…。 そのままの体勢で、私は腕の時計を見る。 もう、こんな時間……。 帰らなくちゃ…。 そう言えば、薫くんに初めて会った時も、 こんな感じだったな…。 私が起きたら、目の前にいて、 あ、起きた?…、なんて言われたっけ。 今、起きたら 目の前にいたりしないかな…。 私はゆっくりと体を起こす。 そして、顔を上げた。 「いるわけ、ないか…」 目の前には、誰も座っていない席があるだけだった。