さて、どうしたものか…。


私は1人、行くあてもないまま長い廊下を歩いていた。


佐藤先生がいないってことは、あの涼しい空間で勉強をする理由がなくなってしまったということ…。

変わりにどこかタダで勉強出来る場所があればいいんだけど…。

家じゃ、うるさい兄弟がいるし…。


家の情景を思い浮かべながらため息をついていると、ある場所に辿り着いた。


北校舎の3階の、1番端の部屋。


ドアの前にば図書室゙と書かれたプレートと共に、゙夏休み中、開放゙と紙が貼ってある。


初めて来たけど…、ここなら静かだし 、タダで勉強出来る…。


私は目の前のドアをゆっくりと開けた────。