「あっつい……」


生暖かい風が開いた窓の外から入ってきて、
私の頬を撫でる。


私、古賀ひまり(こがひまり)は、
長い廊下を1人で歩いていた。


「失礼しまぁーす…」


やっと辿り着いた職員室に入ると、クーラーの涼しい風が一気に私を包み込む。


「あー涼しい…、別世界だわ…」


そんなことを呟きながら、私はいつもの場所に向かう。


「佐藤せんせーい…、って、あれ?」


佐藤先生のデスクには、いつもはいる本人の姿がなかった。