じゃあね、そう言って空き教室を出て行く楓。



俺は、呆然として立っていた。



何が起こったか、全然わからなかった。



理解ができなかった。



そして、少し経った後俺はその言葉の意味を理解した。



聞きたくなかった、理解したくなかった、



頭がずっとそう呟いていて、




俺は、楓を追いかけなかった。



…いや、追いかけれなかった。



足が、根のように床にくっついていて動かなかった。
 











俺は、楓が出ていった空き教室のドアを、ただぼーっと見つめる事しか出来なかった。