「颯人、鍵閉めるけどいい?」 「あ……あぁ。」 素っ気ない返事。 なんだか上の空で目の焦点も合ってない気がした。 返事をしたのに、なかなか立ち上がらない颯人。 やっぱり昨日の試合のこと、引きずってるよね? 私はドアとは反対側にある小窓を閉め始めた。 バン カチャッ 颯人も私も何も言葉を発しないから 窓を閉める音、鍵をかける音がやたらと響いた。 「なぁ…柚葉…、ちょっとコッチに来てくんねぇ?」