私は溜め息をつき 、

すでにぬるくなっているペットボトルのお茶を飲む。


ふと窓の外を見てみると、暑そうにだらだらと歩く人影が。

いつも私の友達に、黄色い声を挙げられている先輩だ。


私の視線に気が付いたようで、


「よう!夏季補講頑張ってんな、ゆず!」

と、声をかけてくれた。

先輩とは友達の代わりに話した事があり、仲はいいほうだと思う。


夏季補講を知られたことに恥ずかしくなって


「自主的に来たんですからね!!!」


とか叫んでしまう。先輩は


「へぇ〜?」


とニヤニヤしている。

ムカついて私がまたお茶を飲もうと思ったら、



「こいつは自主的に来た夏季補講で補習を受けてて忙しいんだとよ!」


田中先生の声がすぐ後ろからした。


「へっ?!……ちょっと田中先生!!!」


驚きつつも、すぐに田中先生に突っ込む。


すると、先輩がハハッと力無く笑って、運動場に戻って行った。


「ほほう、ゆずはアイツが好きなのか……」


顎に手を置いてにやにやとこちらを見てくる先生。


「やめてよ、私のお父さんみたいじゃん!」


あはは、と笑って、また補講を再開させる。