「ああっ、もう、うるさい!!!」


窓の外から聞こえてくる蝉の声と部活動の元気な声は、

夏真っ盛り、教室で夏季補講をしている私への当てつけのようでイライラする。





「……せんせー、なんでこのクラスは勉強のために補講受けよう、とかの真面目な人が居ないんですかー。」


このクラスの担任、田中 先生は、少し困ったように笑う。


「そこはいいから、お前は頑張って勉強しろよ。」


頑張るにも、この暑さの中、集中出来る奴が何処に居るんだ。


すると、私の様子を見かねてか



「ちょっと待ってろ、今職員室から扇風機取ってきてやるから。」



田中先生はとても良い先生で

時には生徒に厳しくもしたりするけど、何故か人気なんだよなぁ。


若い先生だから、片想いしてる人も少なくはない。


「やったー!!」


先生と生徒なんて、叶うわけがないのに。