それからわたしはタコの顔になりながらも、水野くんが勉強すると言い張るので一時間ぐらい勉強した。
「今日は遅いからもう帰るわ。」
「うん。駅まで送ってくよ。」
「あ…………いや、いいよ。一人で帰る。」
「え?なんで?わたしも一緒に…。」
「だめ。」
「だからなんで?」
「だめったらだめなの。」
む〜。
「無理やりにでも送ってやる!」
「やめろって。雫みたいな危なっかしいのが帰りに一人で歩いたら絶対変な男に絡まれるから。」
危なっかしいって……。
「でもこの辺不審者とかあんまいないし。」
「またキスされたいの?」
「………気をつけて帰ってください。」
「ん。」
──ポンポン
「じゃ、戸締りしっかりな。」
──バタン
「…マジかぁ。」
顔が赤くなる理由は言うまでもない。
水野くんと付き合えたこと、…初めてのキスのこと、そして頭ポンポンの破壊力。


