なんとも都合のいい話だ。 そんな女に惚れた自分が笑えてくる。 そしてさらに追い打ちをかけるように父親が倒れ、病院で亡くなった。 過労死だった。 仕事のしすぎなのか、何らかのストレスからなのか、原因はよくわからない。 ただ、親戚や兄弟、母親さえもいないに等しかった俺にとって、唯一愛情を注いでくれた人だった。 泣き顔も弱音も、見たことも聞いたこともないほど強くて、いつも笑っていて、俺の……憧れだった。