「そんなに構える必要なんてない。 ただ、聞いてくれるだけでいいから。」 聞くだけ。 それすらも身構えちゃうけど、水野くんが聞いて欲しいって言ってるし、実際のところわたしも気になる。 …変に慰めたりしなくていい。 聞くだけ。 「うん。わかった。…話して。」 わたしがそう言ったら、水野くんは少し切なそうな顔をして、 「…ありがと。」 そうつぶやいた。 わたしは、周りの空気と同化するように… 水野くんの声に、耳を傾けた。