他人行儀の話し方。まるで、私達二人のことを全く知らないような素振りで接客する賢人くん。


耐えきれなくなった私はお店を飛び出した。





「賢人…瑠音ちゃん追いかけろよ」


「お前が行けよ。彼氏なんだろ?」


「賢人…変なプライドなんかもう捨てろよ。最初から分かってんだろ?」


「なにを?」


「俺と瑠音ちゃんが何にもないって。ただ、瑠音ちゃんに別れるって言われてむしゃくしゃして、俺に嫉妬して啖呵きって引くに引けなくなったんだろ?賢人はいつも、そーだよ。優しい一面とは裏腹にプライドが高くて意外に頑固なんだよ。」