私は、センパイに、一目惚れした。
その時は知らなかった、知るよしもなかった。
まさか、センパイに彼女がいただなんて、
まさか。センパイの彼女が、美羽センパイだなんて。
ずっと話せずにいた。一目惚れしても、
相手には存在すら気づいてもらえなかった。
でも、美羽センパイと仲良くなって、
想太センパイと連絡先を交換できるだなんて思わなかった。
嬉しかったよ。交換できて。でもそれよりも、
ショックだった、美羽センパイと、想太センパイが付き合ってるなんて。
想像もしていなかった。
でも私は、その2人に気を使うことしか出来なくて、
2人が一緒の時に笑うことも、喋りかけることもできなかった。
センパイ達が付き合って半年、って聞いたとき。
笑顔で「おめでとうございます」っていえなかった。
うつむくことしかできなかった。
美羽センパイと、キミ。
2人とも好きで、大好きで、どっちかを選ぶなんてできなかった。
それほど、大切な存在、だった。