小さな恋物語

「俺、抑えられないよ」

「私もです」

見つめあう男女。やがて2人はベットに倒れこみ、何万年も前から営まれてきた行為にのめりこむ。愛しい彼が私の上に乗っかって、私たちは今一つになっている。彼が動く度に下半身がズキズキ痛むけど、それさえ嬉しい。彼に出会うまで、純潔なままでよかった。もし、私が別の男と結合した経験を持っていたとすれば、今のような美しい行為を繰り広げることはできなかっただろう。

「俺、もう……っ」

彼が苦しそうに呟いた。そして次の瞬間、私の中に彼は全てを吐き出した。

「あぁっ!……ゴメン、中に出した……ヤベェよ、どうしよう」

「どうしてそんなに慌てるの?いいじゃん」

だって、私たちは愛し合ってるからセックスしたんでしょ?そんなに慌てる必要ないじゃない。ありきたりだけど、愛があれば乗り越えられる。ねぇ、先生はそう思ってないの?どうしてそんな顔をしているの?私は嬉しくてたまらないのに、アナタはそうじゃないの?今のアナタは、私が想ってきたアナタじゃないみたいよ。時間も止められなくなってしまったの?それに、周りの風景から際立っていないじゃない。ねぇ、アナタはどこへ行ってしまったの?見えない、見えない。