「分からないところがあったら、いつでも質問に来いよ〜」

「……先生は」

「え、何?」

「いえ、何でもないです。ありがとうございました!」

危うく、彼の嫌いな女になるところだった。あのまま言葉を続けていたら、私は間違いなく破滅していたに違いない。

「私のこと、どう思ってますか?」

教室を出た後、私は小声で呟いてみた。さっき言いそうになった言葉。もし言っていたら、彼は作り笑いで、いい生徒だよ。と当たり障りのないことを言っていただろう。そして、私を避けるようになるだろう。そんな状況、考えただけで吐き気がする。