仲の良い友達の妹、としか見られていない私だし、年齢も私の方が断然歳下。
"歳上か歳下、って言われたら 歳上と付き合いたい" と何かの番組で言っていた彼にとって、私は 恋愛対象外。
それでも、いい。
人気アイドルなんだから、私なんかが釣り合う相手じゃない。
分かってる。
だから、今日も 隠すの。
彼への思いを。
デビューしてからの彼のことしか知らない人達のバッシングには少し 腹が立つ。
表面上のことしか観てないのに、何が分かるの⁇
幼い頃からずっと彼のことを観て 育ってきた私にでさえ、彼のことなんて 全然分からないのに。
知ったかぶりなんて、しないで。
そんな言葉さえも 私は隠すの。
そう思っていたのに、
「碧生ちゃん、美人になったよね。
小さい頃から、可愛かったけど ここまで可愛くなるとは……ね。」
なんて、微笑む彼。
「恋君は今も昔もカッコいい、よね。」
"そんなことないよ" と涼しげな顔。
そりゃあ、アイドルだもん。
たくさんのファンが居て、こんな言葉 聴き慣れているに違いない。



