次の日ーー。
朝、教室に入るのにこんなにハラハラドキドキするのは初めて。
昨日のことがあるから、なんとなく怜くんと顔を合わせにくい。
もう一度ちゃんと謝った方がいいよね?
昨日の態度からすると、許してくれたわけじゃなさそうだし。
そもそも、怒っているかもわからないんだけど。
「咲花ちゃん?」
ーーポン
「ひゃあ!」
後ろから誰かに肩を叩かれて、背筋がピンと伸びる。
「どうしたの?そんなところに突っ立って」
おさげ髪を揺らしながら、クスクス笑う瞳ちゃん。
「お、おはよう。いろいろあってね……ちょっと入りにくくて」
「いろいろ?大丈夫?」
「あ、うん」
いつまでもこんなところでビクビクしているわけにはいかない。
もう一度ちゃんと謝って終わりにしよう。
「一緒に入ろ。そしたら、大丈夫でしょ?」
「瞳ちゃん……」
……ありがとう。
いい子だな、瞳ちゃんは。



