キリッとした奥二重の大きな目と、スッキリした鼻筋、色気のある薄い唇。
写真の中でも、怜くんは人を寄せつけないオーラを放っている。
その時、教室の中に強めの風が吹いて生徒手帳がパラパラとめくれた。
その拍子に隙間から何かが落ちて。
ん……?
「写真……?」
四つ折りにしてある一面の風景が自然と目に入ってきた。
そこには青い空が映し出されている。
何気なく手に取って、それを広げてみた。
ーードキン
え……?
なんで?
どうして……怜くんがこの写真を?
それは、春のオリエンテーションの時にカメラマンさんが撮ってくれた、私と瞳ちゃんと前野さんと土方さんが映った写真。
くじ引きでたまたま同じ班になった私たち四人が、青空をバックに横並びに笑顔でピースをしている。
しばらくの間、じっと見入ってしまった。
「おい」
どれくらいそうしていたのかはわからないけど、後ろから低い声が聞こえて我に返った。
「!?」
振り返ると目の前に怜くんがいて、ビックリした私は目を白黒させてしまう。
かったるそうな雰囲気を放って、おまけに目つきが悪いから睨まれているような気分になる。
ど、どうしよう……。
顔が、見れないよ。
「それ」
「え……?」
怜くんの涼しげな瞳が私の手元に向けられた。
今手にしているのは怜くんの生徒手帳……そして、写真。
「あ……えっと……」
緊張から口ごもって、うまく声が出ない。
視線を右往左往させる私を見て、怪訝に眉を寄せる怜くん。
彼は背が高くて小顔で、おまけにスタイルもよくて。
俗にいうイケメン。



