ここまで言ってくれているのに、応えないなんてダメだよね。
ほんとは私は誰かにこんな風に言ってほしかったのかもしれない。
気持ちをさらけ出していいんだよって。
自分を見せてもいいんだよって。
だってほら、今こんなにも心が震えてる。
こんな感覚は初めてだよ。
「乗り、たい」
小さな声でつぶやいた。
「じゃあ、行くか」
私の声はちゃんと怜くんに届いた。
きちんと受け止めてくれた。
些細なことなのに、心がジーンと震える。
「あり、がとう……」
こんな私なんかの意見を受け入れてくれて。
少し……ほんの少しだけ。
怜くんとの距離が近づいたような気がした。



