ずっと前から、お前だけ。



決められたレールの上を歩いてきた私にとって、自分の意見を言うことは許されないことだから。


「ほんとは炭酸苦手なんじゃねーの?」


木陰のベンチに並んで座り、ジュースに口をつけた時だった。


「学校では甘いジュースばっか飲んでるだろ」


思わずドキリとしてしまった。


怜くんはどうして、そんなことまで知ってるの?


苦手とまで言い当ててしまうなんて、人に興味がなさそうに見えて意外と観察眼が鋭いんだ。


それにしても、私ってそんなにわかりやすいのかな。


「そんなこと、ないよ」


どうして私は言い訳ばっかりしてしまうんだろう。


「もっとさぁ、ほんとの雪村を見せてみろよ」


「え……?」


ほんとの、私?


「雪村は、無理して自分の気持ちを押し殺してるように見える」


「…………」


どうして……怜くんには見抜かれてしまうんだろう。


「もうちょっと肩の力抜いて、楽に生きてみればいいんじゃねーの?」


楽に……って。


「雪村見てたら、人の顔色ばっかうかがって疲れねーのかなって心配になる」


胸にグサッと何かが突き刺さったような気がした。


彼にはなにもかも見破られている。


そう思うと途端に顔がカァッと熱くなった。


「だから少なくとも、俺には遠慮なんかしなくていいから」


どうして私なんかのためにそこまで言ってくれるんだろう。


「俺、雪村が思ってるほど短気じゃねーし。確かに無愛想かもしれないけど、単に仲良くなりたくない奴に愛想振りまくのが面倒なだけで」