怜くんは自由奔放で、自分の気持ちに正直な人。
人に合わせることしかできなくて、人の顔色ばかりうかがっている私とは大違いだ。
私なんかといても、楽しくないよね。
なんて、ネガティヴになる。
つまり私は、自分に自信がないんだ。
昔からそう。
つまらない奴なんだ。
「なに飲む?」
「へっ?」
売店に着くと、怜くんが私の顔を覗き込んだ。
その距離の近さに、思わずビックリして目を見開く。
整った顔立ちに、うっすら滲んだ汗。
不意にドキッとしてしまった。
「オレンジサイダーひとつと、雪村は?」
売店のおばちゃんに声をかけながら、もう一度そう聞かれた。
「あ……えっ、と」
後ろに列もできているし、早く決めなきゃ。
早く……。
焦りがつのっておどおどしてしまう。
飲み物ひとつすぐに決められないなんて、情けなさすぎるよ。
だけど私は「これがいい」とか「あれがいい」とか、自分の意見を言うのがすごく苦手。
「えっと……同じのでいいです」
結局いつも人に合わせてばっかりで、自分っていうものを持っていない。



