どこかから蝉の鳴き声も聞こえた。
もうすっかり夏だなぁ。
「俺らだけで休憩するか」
突然の怜くんの提案に戸惑ってしまう。
いいの、かな?
だけど私も少し休憩したい。
でも、勝手に抜けちゃうのはどうなんだろう。
どうすればいいかわからなくて、オロオロしてしまう。
「俺、ああいう浮遊系の乗り物苦手だし」
眉を寄せながら嫌そうな顔をする怜くん。
自分の意見をズバズバ言って、とても正直な人だと思う。
「雪村も苦手だろ?」
「え……あ、いや」
自分の意見を述べるのは悪いことのような気がして、曖昧な態度を取ることしかできない。
この場合、合わせるのがいいのかな。
不快に思われないような返事をしなきゃ。
「わ、私は、乗れないことはない、かな」
そう返事をした時には、怜くんは売店に向かって歩いて行ってしまっていた。
「雪村も早く来いよ」
「え?あ……」
「休憩しようぜ」
途中で振り返ってそんなことを言うから、戸惑いながらもその背中を追う。



