「ねー、次あれ乗ろうよ」
瞳ちゃんが指差したのは空飛ぶじゅうたん。
「お、いいな。行くか」
ノンストップでどんどん突き進むふたりは、長蛇の列の最後尾に向かって歩き出す。
正直、疲れたし休憩したいっていうのが本音だけど。
雰囲気を壊すようなことはしたくないから、自分の意見は胸の中にとどめておく。
「あ」
メリーゴーランドだ。
乗りたいなぁ。
でも、並んでいる人は子どもや家族連ればかり。
瞳ちゃんや三沢くんも素通りして行ってしまったくらいだから、乗りたくないよね、きっと。
だけど私は絶叫系よりも、ゆったりした乗り物の方が好きなんだよね。
乗りたかったなぁ……。
でも、言えない。
メリーゴーランドを横目に見つつ、通り過ぎた。
「乗りたいんだ?」
「え?」
「いや、めっちゃメリーゴーランド凝視してるから」
「そ、そんなことないよっ!」
言い当てられて、途端に照れくさくなって否定してしまった。
だって高校生にもなってメリーゴーランドだなんて、恥ずかしすぎる。
「ふーん。つーか、ちょっと疲れねー?あいつら、タフすぎるだろ」
お昼間近になって気温も上がり、蒸せ返るような暑さが容赦なく降り注いでいる。
「そ、そうだね。元気だよね」
額に浮かんだ汗を手で拭う。



