機嫌が悪いのかな……?
それとも……ふたりが仲良くしている姿を見たくないだけ?
そりゃそうだよね……。
「咲花ちゃん、お願いがあるの」
遊園地のチケットを買う列に並んでいると、瞳ちゃんがコソッと私に耳打ちした。
「途中ではぐれたフリをして、私と三沢くんをふたりきりにしてほしいの」
一生のお願い!とでも言いたそうに、必死な形相を浮かべる瞳ちゃん。
「わかった。途中ではぐれたらいいんだね」
「そう!怜くんと一緒にね」
そう言われて、小さく頷く。
瞳ちゃんは嬉しそうに笑ったけど、怜くんの気持ちを考えると複雑だった。
でも、仕方ない……よね。
「よーし、今日は全制覇してやるぜ!」
「私も私も!」
「おっしゃ、そうこないとな!どれから攻める?」
「うーんと」
きゃっきゃっと騒ぐふたりを、私と怜くんは静かに見守る。
明るい音楽に、たくさんの人で賑わう非現実的な空間。
家族連れやカップル、友達連れの姿が多く見受けられる。
遊園地は久しぶりだし、ほんの少しだけ私も楽しみだったりして。
「ぷっ」
すぐそばで噴き出す声がして、思わず振り向く。
すると、怜くんが口元に手を当てて笑っていた。
「顔がゆるんでる。そんなに嬉しいんだ?」



