ずっと前から、お前だけ。



「こんな結果じゃ、とてもじゃないけど咲季と同じ大学には行けないわ。もっと頑張りなさい」


お母さんの厳しい声が胸に刺さった。


毎日夜遅くまで机に向かい、昼休みや登下校の時も単語帳や教科書を開いて必死に勉強した結果。


前回三百番台だった順位が、ぐんと上がって二百位以内に入ることができた。


それでも、お母さんは認めてくれない。


咲季ちゃんと同じ大学に行くには、この高校でトップを取るよりも難しいことなのだ。


だからたとえトップを取ったとしても、同じことを言われるんだろうな。


「お、お母さん……!私、もっと頑張るから。だから、今週の土曜日は友達と遊びに行ってもいいかな?」


「なに言ってるの。テストが終わったからって気を抜いちゃダメよ。遊ぶヒマがあるなら、勉強しなさい」


「……っ」


お母さんはいつもそればっかり。


どうして……。


咲季ちゃんはよくて、私はダメなの?


言いたいけど言えない言葉の代わりに、拳をギュッと握りしめる。


苦しい、ものすごく。


「いい?夏休みは夏期講習を申し込んでおいたからね。それと、家庭教師の先生にも来てもらうつもりだから、遊ぶヒマなんてないわよ」


お母さんは私の意見も聞かずに勝手にいろいろ決めてしまう。


お母さんの言うことは絶対で、その通りにすればまちがいないんだろうなって思うけど。


どうしてこんなに気持ちが晴れないんだろう。


どんより分厚い雲に覆われているように、重苦しくなっていく。


窮屈で、狭くて、流れの速い川の中を進んでいるような感覚。


どんなにもがいたって、流されていくしかない。


手を差し伸べてくれる人は誰もいないから。