ーーガタンゴトン
電車内は、サラリーマンやOL、学生などで溢れ返っている。
ふたりで乗り込んでからすでに三駅通過したけど、乗客は減るどころか増える一方。
今日は七時間授業で普段よりも学校を出るのが遅く、さらにはカフェで時間を取られたこともあり帰宅ラッシュと重なってしまった。
ぎゅうぎゅうの車内でドアを背にして立ちながら、カバンを胸に小さくなる。
人口密度が高くて、息苦しい。
「大丈夫か?」
頭上から怜くんの声が降ってきた。
「う、うん……!さっきからごめんね」
電車が左右に揺れる度に肌の一部が触れる。
当たらないようにできるだけ体を縮めているけど、満員御礼の車内では無意味だった。
「いや、俺は全然……っと!」
その時、電車がカーブを通過した。
足に力を入れて踏ん張り、なんとかやり過ごす。
けれどすぐ目の前に立つ怜くんが、人の波に押されて密着してきた。
ドアと怜くんに挟まれて押し潰されそうになる。
ーードキン
跳ね上がる鼓動。
柔軟剤の香りなのか、フローラル系のいい匂いが鼻につく。
男らしく出っ張った喉仏と引き締まった体。



